国土交通省 スマートウェルネス住宅等推進事業

国土交通省 スマートウェルネス住宅等推進事業
 中間報告 住宅環境と健康の関連性を確認






国土交通省は1月13日、スマートウェルネス住宅等推進事業について、住宅の断熱化が居住者の健康に与える影響を検証する調査の中間報告を行いました。
今回は、この中で報告された室内環境と血圧などの健康関連事象について検証結果をまとめました。




現在、国土交通省ではスマートウェルネス住宅等推進事業において、2014〜2017年度の4年間を期間として断熱改修前後の居住者の血圧や生活習慣、身体活動量などを調査し、住宅の断熱化による健康への影響について検証を行っています。
中間報告では、2015年度までに実施した2,759人の居住者に対する改修前調査と、その内165人に対する改修後調査から得られたデータに基づき検証された内容が発表されました。
その結果、血圧と室温の関係について、冬季における起床時室温が10℃低くなると、血圧が7.3oHg高くなる傾向が見られました。
また、年齢が高くなるほど血圧の上昇量が大きくなり、特に、60代以上で室温の影響が大きいことが分かりました(図1)。
このため、高齢者については住宅の室温が低くならないように注意する必要があるとしています。






断熱改修による室温の変化については、断熱改修前と比べて断熱改修後には平均で3.3℃上昇しています。
また、室温上昇に伴い、居住者の血圧が低下する傾向も確認されました(図2)。
その傾向は、特に室温が4℃以上高くなった住宅の居住者において顕著に見られ、室温上昇量が大きいほど血圧の低下量も大きくなっています。
一方で、断熱改修後に室温が低下した事例も一部で見られており、暖房の適切な使用を呼びかけることが大切との考えが併せて示されています。






室温と入浴時の湯温との関係についても検証が行われました。
居間または脱衣所の平均室温が18℃未満の住宅では、入浴時のヒートショック(循環器系疾患)のリスクが高まるとされる42℃以上の熱めの湯温で、かつ長時間の入浴をする人が多いことが分かりました(図3)。
室温が18℃以上の住宅では、42℃以上の湯温で15分以上入浴する人の割合が9.2%だったのに対し、18℃未満の住宅では16.3%に上りました。
更に、この内の4.1%は入浴時間が40分以上となっています。
消費者庁によると、家庭の浴槽での溺死者数は10年間で約7割増加し、2014年には交通事故死数の4,113人を上回る4,866人となっています。
また、高齢者の割合はこの内の約9割に上ります。
このことから、同庁では安全な入浴方法の目安として「湯温41℃以下で10分未満に浴槽から上がる」ことを推奨しています。






国は健康寿命の延伸と医療費の削減に向け、2022年までに国民の収縮期血圧平均値を4oHg低下させることを目標に掲げており、これにより循環器系疾患による死亡者数が1万5,000人減少すると推計しています。
日本における高断熱住宅の普及率は、北海道をはじめとする寒冷な地域ほど高く、太平洋沿岸部といった温暖な地域ほど低くなっています(図4)。
一方、冬季の死亡増加率を見ると、温暖な地域ほど高くなる傾向が見られます(図5)。
これらのことから、住宅の断熱化と冬季の死亡増加率との関連性が伺えます。
今回の中間報告では、住宅の断熱化と居住者の健康が緊密な関係にあることが証明されました。
今後、住宅を供給する側として、住宅の断熱性能が住まい手の健康に影響を与えることをしっかりと認識するとともに、高断熱住宅の更なる普及に住宅業界全体で取り組んでいくことが求められます。




国土交通省
 住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する調査の中間報告

http://www.mlit.go.jp/report/press/house07_hh_000164.html

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